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かぐや様は告らせたいのアニメ三期分見た。自分から好きになってしまっては相手に弱みを握られることになるので、相手に告白させなければならない、という建前ののラブコメ。建前が崩れて、ただの素直になれない系へと移るのが早すぎる。アニメ化前にそれはわかっていたはずなのに、この建前から始める必要があったんだろうか。無理に毎回勝敗とか書く必要なかったのでは。

1期途中まではまだ頭脳戦の体裁を取ろうとしていた。2期ではもうかぐや様目線でのラブが溢れ出し過ぎて、でもそれをコミカルに描くのがまた面白い。ポッと赤面したかと思えば、頭からっぽの馬鹿になって、かと思えば突然キリッと動き出す。その変化の速さが面白い。キリッと秀才に戻ってなお、藤原書記の扱いの辛辣さがたまらない。書記は必ずしも馬鹿ではないはずだけれど、圧倒的な空気読めなさが強い。完全に馬鹿として扱われているけれど、ピアノの成功体験に基づくメンタルの強さ。そんな書記の強メンタルをも一瞬で砕く、不器用な会長への秘密特訓。ツッコミどころしか無い。

ラブコメは物語の収め方が難しい。それがアニメ三期のラストは秀逸だったと思う。やはり丸く収めてくるのだが、ただラブストーリーだけにはせずしっかりとコメディしてくる、そのバランスが優れた作品だった。